2018年7月10日
「タイで洞窟の中で遭難していた13名全員が無事に救出された」
というニュースがありました。

遭難していた少年たちをサッカーW杯の決勝に招待するという動きがあったり、
映画化しようという動きもあるようなので、
世界中が注目した事故だったのではないかと思います。

この記事は心理技術という視点で
この事故で全員が無事に救出された要因について書いてみます。

この事故では唯一の大人である、
25歳のコーチの存在が大きかったと言われています。

その中でも心理技術を使う自分が気になったのは、コーチが

「雑念を忘れるため座禅を組みなさい」

と指導していた、という報道です。

人間の潜在意識はイメージしたことと現実の区別をしません。
何故なら現実で起こったことも五感を通じて認識したものを
イメージとして脳に送る為、
ただ脳でイメージしただけのものと同様に処理される為です。

もし洞窟内で誰か1人が
「自分達は誰にも見つけられなくてここで死んでしまうんだ」
というような最悪の結末を想像して、それを言葉に発したらどうなるでしょうか?

1人の不安な気持ちが他者に伝播して、
さらに複数人が最悪の結末を想像して、
それが更に・・・・・

となると1人が最悪の結末をイメージしてしまうことで、
全体が最悪の結末になるという現実を引き起こしてしまったのではないかと思います。

そういう意味でもコーチの
「雑念を忘れるため座禅を組みなさい」

という指導は最悪の結末をイメージさせないで落ち着かせた、
という観点でも全員が助かる上で非常に効果的だったのではないかと思います。

(これはもしかしたらやっていたのかもしれませんが)
更に良くするには
「洞窟を出たら何をしようか?」

というような洞窟を出ることを前提とした未来を想像して、
生きる目的を洞窟の外に設定すると
よりポジティブで居られたのではないかと思います。

何はともあれ、全員が無事に救出されたのは素晴らしいことですね。